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しほんたいへいき
私本太平記
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《私本太平記(しほんたいへいき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 126,598 字 · 254 頁
当然。――彼らはこんどの変で相当な衝動をうけ、いたる所で秘密会合やら、洛内潜入のうごきなど見せている。――で、六波羅検断所はそれに備え、洛外七街道の口に木戸をおいて、怪しげな往来人とみれば用捨なく引ッくくって牛の荷車に積み、一応、六波羅牢広場まで持って来て、一人一人裸にさせ、髻の根まで解いて厳重に調べていた。
ところが。
まったく、部下の行き過ぎであったのは、その中に、琵琶を負った盲の少年と美しい尼前が交じっており、なんとそれが、だんだん問いただしてみると、鎌倉の現執権、北条守時様の義弟、足利又太郎高氏どのの御縁者だというので、きもをつぶし、俄に、礼を厚うして、別屋へお迎え直しておいたものの、さてこの暗黒下、どう身柄の処置をとったものかと、鬼六は、御指示を仰ぎに出たものだという。
両探題は、眼を見合せて何かふたたび私語していたが、やがて越後守仲時が、さしずを下した。
「鬼六。尼前は、草心尼と申され、お子は覚一といわれたか」
「御意にござります」
「ならば相違ない。そちがお供して、ひとまず小松谷の身の私邸へお連れ申せ。今日は、暇もないが、帰館の後、この仲時が会うことにしよう」