輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

きどうむかしがたり

綺堂むかし語り

岡本 綺堂

線上閱讀岡本 綺堂《綺堂むかし語り(きどうむかしがたり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 183,656 字 · 363 頁

青空文庫

新旧東京雑題

祭礼

それを切って酒にひたして、ひび薬にすると云って、みんなが喜んで貰って帰った。なんと云っても、むかしは万事が鷹揚であったから、今日のように柚湯とは名ばかりで、風呂じゅうをさがし廻って僅かに三つか四つの柚を見つけ出すのとは雲泥の相違であった。

冬至の日から獅子舞が来る。その囃子の音を聴きながら柚湯のなかに浸っているのも、歳の暮れの忙しいあいだに何となく春らしい暢やかな気分を誘い出すものであった。

わたしはこういう悠長な時代に生まれて、悠長な時代に育って来たのである。今日の劇しい、目まぐるしい世のなかに堪えられないのも無理はない。(大正13・12「女性」)

新旧東京雑題

祭礼

東京でいちじるしく廃れたものは祭礼である。江戸以来の三大祭りといえば、麹町の山王、神田の明神、深川の八幡として、ほとんど日本国じゅうに知られていたのであるが、その祭礼はむかしの姿をとどめないほどに衰えてしまった。たとい東京に生まれたといっても、二十代はもちろん、三十代の人では、ほんとうの祭礼らしいものを見た者はあるまい。それほどの遠い昔から、東京の祭礼は衰えてしまったのである。

震災以後は格別、その以前には型ばかりの祭礼を行なわないでもなかったが、それは文字通りの「型ばかり」