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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 鬼の面
野村 胡堂
線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控 鬼の面(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 130,082 字 · 257 頁
「親分、大変なことを聴きましたよ、昨夜、あの取すました後家の華魁の、お染が――」
「乞食のような虎松を引入れて、大変な口説をしたというのだろう」
「その通りですよ、下女のお友が一から十まで、隙見をして居たんですって――いやもう大変な見ものだったそうですよ」
「金のためには、国守大名にも乞食にも、平気で身を売った女だ、虎松に脅かされてそれ位のことをするのは当り前だ」
平次は早くもそれを見通したのか、さして驚く色もありません。
「それから、虎松の巣はわかりましたよ、妻恋稲荷の裏の物置、かき廻してみると、血の付いた手拭が出て来ましたよ、血の外に泥が付いて、真中は毟ったように切れて居ますが――」
「その手拭に石を包んで、佐太郎を殴った上、大川へ投り込んだのだ――手拭を捨て兼ねたのは乞食根性だが」
「すると」
「もうよい、行こう八、三丁目の吾妻屋だ、お前は下っ引をつれて行って裏表の出入口を張って居るんだ、俺は中へ入って少し捜す物がある」
平次は吾妻屋へ着くと、番頭の変な顔をするのを案内させて、いきなり二階の米吉の部屋へ行きましたが、押入の中の行李を捜しても、目当ての物は無かったのか、直ぐ様奥の一ト間――後家のお染の部屋に飛込んで、箪笥、長持、押入、戸棚と捜したあげく、思いも寄らぬところから、若い芸者の着そうな、派手な振袖を見付け