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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(七)平次女難

野村 胡堂

線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(七)平次女難(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 152,696 字 · 310 頁

青空文庫

「お気の毒なことに、御主人には身寄りも親類もございません」

「倅の佐太郎は隣に住んでいるではないか」

「あれは身持が悪いから、末始終親の頸に縄をつけ兼ねない奴だとおっしゃって、七年前に久離切って人別まで抜きました。隣に住んでいても口を利いたこともございません。主人が亡くなったからといって、あの方を引入れては、支配人の私が相済みません」

駒三郎の言い分は、一応尤もですが、平次には、その冷たさがなんとしても気に入らなかったのです。

「そういったものかな、大店の支配人の物の考えようというものは。――が、これから名主か五人組の立会いの上でなきゃ、勝手な真似は止した方がいいぜ、つまらねえ疑いを受けることになるから」

「ヘエ――」

駒三郎も仕様事なしに承服しました。

「で、金があったのかい」

「横山町のお店を畳んだ時、五千両は残したはずですが、家の中を見ると、たった一両もございません」

「皮肉だな」

ガラッ八はヒョイと口を出して平次に睨まれました。

「それほど念入りに捜したのに、どうして池の水を干してみなかったんだ」

「親分さんが、昨夜、――池は明日渫ってみるとおっしゃったものですから」