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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(九)不死の霊薬

野村 胡堂

線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(九)不死の霊薬(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 144,106 字 · 292 頁

青空文庫

「盗ったのはあっしとお徳とお秋のうち、それに違いありませんが、あっしは木更津へ行って昨夜帰ったばかり、お秋は自分で稼いだも同様の金ですから、取るはずもなし」

「すると、お徳が怪しいと言うのか」

「そんなつもりで申したのじゃございません。近所だって、正直者ばかり住んでいるわけじゃありませんから、ヘエ――」

「そのお徳はお前の女房じゃないのか」

「世間じゃそう思い込んでおります。もっとも、お徳もそのつもりでいるようで、へッへッへッ、焼餅ばかり焼いてしようがありません」

不思議な道徳を持った人達、ガラッ八は呑込み兼ねて顎を長くしております。

「女二人はどこへ行ったんだ」

「お徳はお神籤を引きに行きましたよ。お秋は大方番所へでもお願いに行ったんでしょう、親分さんが来て下すったところをみると」

「お前は自棄になって、朝っから飲んでいたのかい」

「ヘエ――」

これはガラッ八の探偵眼にもよく解ります。茹蛸のように真っ赤になって、熟柿臭い息をフウフウ吐いている丑松だったのです。

「その落しと、瓶を見せて貰おうか」

「ヘエ――」

案内されたのはお勝手、かなり重い土竈をどけて、揚げ板を剥ぐと、中は三尺四方ぐらいの穴になっております。