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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(九)不死の霊薬
野村 胡堂
線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(九)不死の霊薬(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 144,106 字 · 292 頁
皆んな揃っているならいいが、弟なり倅なり、妹なり娘なりが、一人でも欠けているなら、その行先から、人相などをよく聞いて来るがいい」
「ヘエ――」
「もう一人は、町奉行へ行って、大坂の事をよく知っている人に、心斎橋通りの問屋で、大坂屋というのがあるかないか聞いてくれ」
「ヘエ――」
「それからもう一人は、灸や鍼の道具を売る店を捜して、近頃素人に一番の鍼を売らなかったか訊いてくれ。なアに、日本橋から江戸橋の近所だけで沢山だ。それで判らなかったら江戸中を捜さなきゃなるまいが、大方一軒か二軒で埒があくだろうよ」
「ヘエ――」
「もう一人、石原の利助兄哥のところへ行って、駿河から持って来た煙草入を借りて来てくれ。――それだけ揃えば、夜の明けないうちに何もかも解るよ。八五郎とお品さんは、家の中へ入って、俺の手伝いをして貰おうか」
平次の指図は恐ろしく行届きますが、それが、家中の者に筒抜けに聞えるような大きな声です。
下っ引は八方に散って、家の中はしばらく空っぽになりました。
「親分」
「何だ、八」
「あの文三郎という生っ白い手代は、まだ家の中を嗅ぎ廻っていますよ」
「抛っておけ」