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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ

野村 胡堂

線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 143,455 字 · 290 頁

青空文庫

手前は、あの娘の顔に見覚えがあると思わないか」

「そう言えばどこかで見たことのある顔ですよ。ずっと遠い昔のようでもあり、ツイ二三日前のようでもあり、――ニッと笑靨の寄る所が」

「それじゃ、あの百松をどこかで見たことはないか――」

「そう言えば、あの小汚い老爺もどこかで見ましたよ。何かの弾みで、二三本しか残らない歯を出して笑う顔が――」

「ね」

「あッ、違えねえ、あの百松老爺と、お崎の顔が、どこか似ているんじゃありませんか、親分」

「気が付いたか、八、若い娘と六十の爺さんだ。ちょっと見じゃ似たところもないが、何かの拍子に、二人の面差に似たところがある。それを俺も手前も、遠い遠い昔に逢った人のように考えていたのだよ。――来い、八、面白いことを見せてやる」

平次は八五郎を引摺るように、川越屋へ飛んで行きました。

裏口から入ると、寒々とした居間に、お崎はたった一人、深々と物を考えております。父親が非業に死んだ上、その父親が寺荒らしの一番冒涜的な大泥棒と知れては、全く世間へ顔向けをする気力もありません。

「お崎さん、ちょっと昌平橋まで一緒に行ってくれ」

平次の飛込んだ姿を、