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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(六)結納の行方
野村 胡堂
線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(六)結納の行方(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 142,597 字 · 289 頁
親分さん」
「白旗直八が目隠しをしたままのを刺したのかい」
「え」
「殺すほどの怨みは何だ」
「あの男が五年前のことをぺらぺら喋舌ったばかりに、私は板倉屋の旦那に捨てられそうになりました。これほど口惜しかったら、殺しても不思議はないでしょう」
「よしよし、お前の言う事を本当にしよう。が、縄を打つ前に見せたいものがある。ちょいと来るがいい」
「…………」
平次はお勢をつれて、死体を置いた部屋へ入って行きました。
「頸筋の瘡は、後ろから刺したんだ。いいか、ぼんのくぼは大変な急所だが、喉咽や胸と違ってあまり血が出ねえ、――ところで、少しばかりの血が、目隠しの手拭の下へ付いているのはどういうわけだ」
「…………」
「解らないか、お勢、曲者は、白旗直八が目隠しを取ったところを刺し、何か誤魔化すために、殺してからまた目隠しをしたんだ、――死骸へ目隠しをして逃げるような、手の込んだ芸当は、お前に出来るかい――」
「…………」
「一言もあるめえ。この下手人は、三輪の兄哥が睨んだ板倉屋でもなきゃ、名乗って出たお前でもないのさ。まアまア俺に任せておきな」
「親分さん」
お勢は泣いておりました。