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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(四)城の絵図面
野村 胡堂
線上閱讀野村 胡堂《銭形平次捕物控(四)城の絵図面(ぜにがたへいじとりものひかえ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 139,179 字 · 280 頁
畳紙の中に入っていたのは、この家の仕事場の抽斗に入っていた、寺や屋敷の下絵図面だと言うから」
ガラッ八の今日の頭の良さ。
「…………」
平次は黙りこくって考えております。
それから、藤兵衛の死体を納めた一間を覗いて見ました。まだ入棺もせず、北枕に寝かして、逆さ屏風を廻した前に、弟子の良助と太吉がしきりに香を捻っております。
どちらも二十七八、坐り馴れない様子でモジモジして迎えましたが、良助というのは、娘のお勇が執心するだけの好い男、太吉というのは、堅い一方といった、職人にしては、真面目すぎるくらいの平凡な男です。
「棟梁の自害したのを一番先に見付けたのは、誰だとか言ったね」
平次は二人を等分に見ました。――自害を見付けたのは、早起きの良助と太吉、雨戸を繰って、春の朝風を入れる時、この惨事に気がついた――ということは、先刻他の奉公人達から聴いたことでした。
「あっしども二人一緒でしたよ、親分」
良助は膝っ小僧を揃えました。
「一緒ということはあるまい、少しは遅い早いがあるだろう」
「見付けたのは私で、――大きな声を出すと、兄哥が飛込んで、親方を後ろから抱き起しました」