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ずいひつ しんへいけ
随筆 新平家
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《随筆 新平家(ずいひつ しんへいけ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 213,575 字 · 424 頁
前号での、平ノ重衡が般若寺で斬られるまでの所は、二回分ぐらいな構想でいたものを一回に書いた。原稿も三十七枚になり、広告面を外して貰ったり挿絵もむりに組んだりしていただいた程である。でないと、この正月号早々、余りに悲劇的な重衡の死と、全篇的にも、物語のひとふしの終りが、暮と新年号とにまたがって、どっちも中途半端になるからだった。一ノ谷敗戦後の平家余話は、あれでほぼ尽したとおもっている。
「新・平家」の著者は作家のぼくだが、これの集成と社会的生産の意味では、ほとんど衆の人々の合作といってよい。
だからいつの日か、これが衆の手に渡って、一個の著者のものでもなく、衆のものになりきれば、それがその作品の成功といえるのであろう。衆を対象とする文学とはどうもそんなものらしい。
読者からの手紙の中では、近ごろとみに、安徳天皇に関する事蹟についてのお知らせが多くなっている。これはきっと「もう壇ノ浦も近いのじゃないか」という読者の推読から来た現象であろうとおもう。
だが、安徳帝御事蹟なるものは、これもじつに全国何十箇所にもあって、多くは伝説を超えた神格的遺蹟となり、かつての宮内省や文部省も手をやいたことでもあった。