Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
けんきょうじゅなん
剣侠受難
国枝 史郎
Read 剣侠受難 (けんきょうじゅなん) by 国枝 史郎 (くにえだしろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 195,479 characters · 394 screens
後を追う
……たしかこっちへ来た筈だが、どっちの方へ行ったかしら? ……うむそうだ、この松明、きゃつらが持っていたのだろう。……では松明の捨ててある方へ、歩いて行ったに相違ない。……逢いたいものだ、捉えたいものだ」
ユラユラと城之介歩き出した。草が分けられてサラサラと鳴る。間もなく姿が見えなくなった。だがその音さえ元気なく、ジャラーンと鉄杖の音がした。
イスラエルのお町と早引の忠三、灌木の陰から現われたが、顔を見合わせたものである。
「プッ」と噴き出したのは早引の忠三。
後を追う
「プッ」と吹き出した早引の忠三、城之介の行った方へ眼をやったが、「ありゃア城之介じゃアありませんね。城之介の魂のぬけがらで」例によって毒舌を振るい出した。「きゃつの魂ときた日には、人一倍太うございましたねえ。そいつが綺麗にぬけたんで、あんなに痩せたんでございますよ。こうなると魂の太いのも、考えものでございますねえ。みっともないざまったらありゃアしない」
「ほんとにねえ」とイスラエルのお町、これはどうやら同情したらしい。「あんなにもやつれてしまっては、憎むにも嫌うにも不足だねえ。なんだかイッソ憐れっぽくなったよ」