Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Read 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) by 吉川 英治 (よしかわえいじ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 511,765 characters · 1011 screens
なんで、これがジッとしていられよう。そのすきに鞍馬の竹童、グッとうしろへ身を反らしたが、落とした刀へは手がとどかず、立って逃げれば、われから卜斎の殺剣へはずみを加えてゆくようなものだし? ……
絶体絶命。
いまは、のがれんとするもその術はなく、この五体、ついに鮮麗な血をあびるのかと、おもわず胸をだきしめる、とその手のいったふところに、さっきの火独楽が指にさわった。
お小姓とんぼ組
一
賤ヶ岳の総くずれから、敵営、秀吉方の目をかすめて、やっと世をはなれた竹生島に、旧知の菊村宮内をたよってきた――柴田の落武者、上部八風斎の鼻かけ卜斎。
草木のそよぎにも、恟々と、心をおどろかす敗軍の落伍者が、身をかくまってもらおうと、弁天堂の神主、宮内の社家にヒソヒソと密話をかわしていると、止せばよいのに、でしゃばりずきな泣き虫の蛾次郎が、ワザワザ寝床からはいだして、それを、ぬすみぎきしていたのを、卜斎、気取るや否や、おそろしい形相で、かれを奥へ追いまくした。
南無三――もとの主人卜斎だったかと、仰天した蛾次郎は、すばやく風を食らって逃げだした。けれど、その禍いは、なにも知らずに寝こんでいた、鞍馬の竹童の身にふりかかって、すでに、自身のあるところを知られては、秀吉のほうへ、密告されるおそれがある、きさまも生かしてはおけぬ、目を