Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
さんごくし
三国志(七)
吉川 英治
Read 三国志(七) (さんごくし) by 吉川 英治 (よしかわえいじ) in Japanese with furigana. JLPT N1. Tap a word for the meaning.
N1 · advanced · modern kanji and kana · 371,916 characters · 744 screens
ともあれ、帰還の途にあっても、なお彼が、そういう土地土地の土俗の風や宗教的心理を採りあげて、徳を布き、情になずませることを、夢寐にも忘れずにあったということは、単なる征夷将軍の武威一徹とは大いに異なるものがある。
浪静かに、祭文の声、三軍の情をうごかし、心なき蛮土の民を哭かしめつつ、彼の三軍はすでにして永昌郡まで帰ってきた。
「ご辺らも、長らく大儀だった。いずれ帝よりも、恩賞のお沙汰があろう」
と、ここで案内役たる呂凱の任を解き、王伉と共に、附近四郡の守りをいいつけた。
また、別れを惜しんで、ここまで従ってきた孟獲にも、暇をあたえ、
「くれぐれも、政に精励して、居民の農務を励まし、家を治め、そちも晩節をうるわしくせよ」
と、ねんごろに訓えをくり返した。
孟獲は、泣く泣く南へ帰った。
「おそらく彼の生きているあいだ、蛮土はふたたび叛くまい」
孔明は左右にいった。
成都はすでに冬だった。南から還った三軍は、寒風もなつかしく、凱旋門に入った。
鹿と魏太子
一
孔明還る、丞相還る。
成都の上下は、沸き返るような歓呼だった。後主劉禅にも、その日、鸞駕に召されて、宮門三十里の外まで、孔明と三軍を迎えに出られた。