Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
らんとうばのてんにょ
卵塔場の天女
泉 鏡花
Read 卵塔場の天女 (らんとうばのてんにょ) by 泉 鏡花 (いずみきょうか) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 47,251 characters · 94 screens
愕然、茫然、唖然として立竦んだ八郎がたちまち恭しくお辞儀をして、
「誰方も御見物は木戸口から願います。」
と言った。
「分りました。――兄さん、私にまかせてね、分りましたよ。あなたは黙っている事……可ござんすか。さあさあ誰方もいらっしゃい。――御案内……ッてらッしゃいッ。」
と冴えた声で手招きをしながら、もう石橋を飜然と越えて、先へ立って駆出すと、柔順な事は、一同ぞろぞろ、ばたすたと続いて行く。
八郎は吻と息して、
「何とも、彼とも、ものに譬えようがありますまい。――無理解とも無面目とも。……あれで皆木戸銭の御厄介です。またあの養母というのがね、唾を刎ねてその饒舌る事饒舌る事。追従笑いの大口を開くと歯茎が鼻の上まで開けて、鉄漿の兀げた乱杭歯の間から咽喉が見える。怯えたもんですぜ。私が九ツ十ウくらいの時まで、其奴が伯父伯母の姪の婿の嫁入さきの忰の孫の分家の新屋だというのを、ぞろぞろと引率して、しなくも可い、別院へ信心参りに在方から出掛けて来て、その同勢で、久の実家だと泊り込むんです。草鞋を脱いだばかりで、草臥れて框から膝行込むのがある、他所の嬰児だの、貰われた先方のきょうだい小児が尿を垂れ散らかすのに、……負うと抱くのが面倒だから、久を連れて来ない事があります。