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たんていしょうせつのなぞ
探偵小説の「謎」
江戸川 乱歩
Read 探偵小説の「謎」 (たんていしょうせつのなぞ) by 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 119,820 characters · 235 screens
カーの諸作中最も神秘学的色彩の濃厚な作品である。
一九三七年作「孔雀殺人事件」には神秘宗教が犯人のトリックの一つとして描かれている。十個のコーヒ茶碗と孔雀の翅の模様の机掛けを用いる密儀である。
一九三九年作「読者、欺かるる勿れ」にはアフリカ原始種族の呪医の血を受けた混血児で、心霊的読心術の大家が、重要人物として登場する。この人物がテレフォースという心霊力によって遠隔殺人を行ないうると宣言し、その予言にしたがって次々と奇怪な殺人事件が起るという筋で、異様な神秘的色彩を持っている。しかし解決は決して神秘ではない。きわめて合理的物理的なトリックによるものである。表題が示すとおり、作者はこれを挑戦探偵小説として書いている。
その他「パンチ・ジュデイ殺人事件」は光点凝視を手段とする自己催眠によるテレパシイが、「青銅ランプの呪い」にはエジプト古墳発掘の祟りによる人間消失の奇蹟が、「三つの棺」には魔術研究家と吸血鬼伝説と黒魔術が、「夜歩く」には最も奇怪なる憑依、狼憑き(ウワーウルフ)が、「弓弦荘殺人事件」は古代鎧の籠手の神秘飛行が、「黄泉帰り」には死者再現の神秘が取扱われている。