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たんていしょうせつのなぞ
探偵小説の「謎」
江戸川 乱歩
Read 探偵小説の「謎」 (たんていしょうせつのなぞ) by 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 119,820 characters · 235 screens
しかし、これはひとりカーや虫太郎にかぎったことではない。ポー(黄金虫)ドイル(悪魔の足その他)コリンズ(月長石)以来大多数の探偵小説は多かれ少なかれ神秘学的要素を含んでいる。探偵小説がミステリー興味をすて得ないかぎり、探偵小説とオカルティズムとは非常に密接な親類関係にあるといっていい。
探偵小説と神秘学の関係について語る場合、漏らすことのできないいま一つの話題がある。それはコナン・ドイルと心霊学についてである。
私は十年余以前オリヴァ・ロッジとかフラマリオンとかその他著名の心霊学研究書を読みあさったことがある。その時ドイルの心霊写真に関する著書などを見たのだが、死後の生存とか、他界との通信などは非常に心ひかれることではあるけれど、その実験方法、暗中に死者の声が聞えたり、姿が現われたり、机が宙に浮いたり、写真の乾板に亡霊が現われたりするいわゆる心霊現象は、どうも信ずる気になれなかった。
それよりも、その後読んだアメリカの大奇術師フーディニの霊媒トリック暴露の話の方がはるかに面白く感じられたのである。(キャンネル著「フーディニの秘密」)
フーディニはある時手品のトリックによって本物の霊媒と同じことをやって見せるといい心霊学者たちの前でその実験を行ったが、コナン・ドイルもこれを見て、フーディニは立派な霊媒だ