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しんけいかさねがふち
真景累ヶ淵
三遊亭 円朝
Read 真景累ヶ淵 (しんけいかさねがふち) by 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 214,332 characters · 426 screens
其の家は他人に譲りましたから、早々立ちまして、せめて今夜は遅くも亀有まで行きたいと出かけまする。折悪しく降出して来ました雨は、どう降で、車軸を流す様で、菊屋橋の際まで来て蕎麦屋で雨止をしておりましたが、更に止む気色がございませんから、仕方がなしに其の頃だから駕籠を一挺雇い、四ツ手駕籠に桐油をかけて、
新「何卒亀有まで遣って、亀有の渡を越して新宿泊りとしますから、四ツ木通りへ出る方が近いから、吾妻橋を渡って小梅へ遣ってくんねえ」
駕籠屋「畏まりました」
と駕籠屋はビショ/\出かける。雨は横降りでどう/\と云う。往来が止りまするくらい。其の降る中をビショ/\担がれて行くうち、新吉は看病疲れか、トロ/\眠気ざし、遂には大鼾になり、駕籠の中でグウ/\と眠て居る。
駕籠屋「押ちゃアいけねえ、歩けやアしねえ」
新「アヽ、若衆もう来たのか」
駕「ヘエ」
新吉「もう来たのか」
駕「ヘエ、まだ参りません」
新「あゝ、トロ/\と中で寝た様だ、何処だか薩張分らねえが何処だい」
駕「何処だか些とも分りませんが、鼻を撮まれるも知れません、たゞ妙な事には、なア棒組、妙だなア、此方の左り