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しんけいかさねがふち
真景累ヶ淵
三遊亭 円朝
Read 真景累ヶ淵 (しんけいかさねがふち) by 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 214,332 characters · 426 screens
六十六
中のことは知って居るし、若し角力が加勢をすると思って、遠く逃げてしまわれたら手掛りはないから、是は知らぬ積りで家へ帰ったが好いと思うて、其の脇差を提げて帰ってからは何処へも出ず、外の者にも黙ってろ知らぬ積りでいろといい付けて来ずにいましたが、今日は斯うして脇差を持って来ました」
母「あれやまア、どうも不思議なこんだ、殺された処へ通り掛って脇差い拾ったって、其の斬った奴は何様奴だかね」
花「お隅さん、それはね此の脇差はどうしたのか知れないが、ちょっくり抜けない、私の力でもちょっくり抜けない、何でも松脂か何か附いてると見えて粘ば/\してるから、ひっついて抜けないが、これは旦那の不断差す脇差で私も能く知っております」
母「あれやまアどうも、お前が知ってるのが手に這入るのは不思議だねえ」
六十六
隅「お母様、もう少し関取が早かったら助かりましたものを」
花車「此の通り抜けない、抜けないから脇差を投り付けたのを盗賊が置いて行ったか、其処は分らんが、今富五郎が私も切り合い旦那も切合ったが、相手が大勢で敵わんというので駈付けて来て知らしたというのは、それはどうも私は胡散なことと思う、仮令相手が多かろうが少なかろうが、旦那様が危いのを一人措いて逃げて来るという訳はないねえ、然うじゃないか、大切な