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しんけいかさねがふち
真景累ヶ淵
三遊亭 円朝
Read 真景累ヶ淵 (しんけいかさねがふち) by 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 214,332 characters · 426 screens
土手の燈火が、此度ア右手に見える様になった、おや/\右の方の森が左になったが、そうすると突当りが山谷の燈火か」
新「若衆、何うも変だぜ、跡へ帰って来たな」
駕「帰る気も何もねえが、何うも変でございます」
新「戯けちゃア困るぜ冗談じゃアねえ、お前達は訝しいぜ」
駕「旦那、お前さん何か腥い物を持っておいでなさりゃアしませんか、此処ア狐が出ますからねえ」
新「腥い物処か仏の精進日だよ、しっかりしねえな、もう雨は上ったな」
駕「ヘエ、上りました」
新「下しておくれよ」
駕「何うもお気の毒で」
新「冗談じゃアねえ、お前達は変だぜ」
駕「ヘエ何うも、此様な事は、今迄長く渡世しますが、今夜のような変な駕籠を担いだ事がねえ、行くと思って歩いても後へ帰る様な心持がするがねえ」
新「戯けなさんな、包を出して」
と駕籠から出て包を脊負い、
新「好い塩梅に星が出たな」
駕「ヘエ奴蛇の目の傘はこゝにございます」
新「いゝやア、まア路を拾いながら跣足でも何でも構わねえ行こう」
駕「低い下駄なれば飛々行かれましょう」
新「まアいゝや、さっ/\と行きねえ」
駕「ヘエ左様なら」