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しんけいかさねがふち
真景累ヶ淵
三遊亭 円朝
Read 真景累ヶ淵 (しんけいかさねがふち) by 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 214,332 characters · 426 screens
来たので」
惣「おや/\そうか、さア此方へ」
新「ヘエ初めまして、私はえゝ三藏の家へ養子に参りました新吉と申す不調法者で、何卒一遍は旦那様にお目通りしたいと思いましたが、掛違いましてお目通りを致しません、今日は好い折柄お賤さんにお目に掛って出ましたが、ついお土産も持参致しませんで」
惣「いゝえ、話には聞いたが、大層心掛の善い人だって、お前さん墓参りに能く行くってね」
新「ヘエ身体が悪いので法蔵寺の和尚様が、無縁の墓へ香花を上げると、身体が丈夫になると云うから、初めは貶しましたが、それでも親切な勧めだと思って参りますが、妙なもので此の頃は其の功徳かして大きに丈夫に成りました」
惣「うん成程然うかえ、能く墓参りをする、中々温順やかな実銘な男だと云って、村でも評判が好い」
賤「本当に極くおとなしい人で、貸本屋に居て本を脊負ってくる時分にも、一寸来ても、新吉さん手伝っておくれなんて云うと、冬などは障子を張替えたり、水を汲んだり、外を掃除したり、誠に一寸人柄は好しねえ、若い芸者衆は大騒ぎやったので、新吉さん遠慮しないで、窮屈になると却って旦那は困るから、ねえ旦那、初めてゞすからお土産などと云った