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しんけいかさねがふち
真景累ヶ淵
三遊亭 円朝
Read 真景累ヶ淵 (しんけいかさねがふち) by 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 214,332 characters · 426 screens
事を聞くと、ぐッぐッと癪に障り、何か有ったら関係を付けようと思っている。此方では御飯が済んだから帰り掛に花車の家に往こうというので急いで出る、お隅も安田が来ているのを認めましたから気味が悪く早く帰ろうと思うので、奥から出て廊下へ来ると、何うしても其処を通らなければ出られないから、安田はわざと三人の刀の鐺を出して置きますと、長い刀の柄前にお隅が躓づきましたのを見ると、
安「コレ/\待て、コレ其処へ行く者待て」
惣「ヘエ/\私でございますか」
安「手前何処の者か知らんけれども、人の前を通る時に挨拶して通れ、殊にコレ武士の腰に帯して歩く腰の物の柄前に足をかけて、麁忽でござると一言の謝言も致さず、無暗に参ることが有るか、必定心有ってのことだろう」
惣「ヘイ頓と心得ませんで…お前疎忽だからいけない、お武家様のお腰の物に足をかけて何のことだね、ヘイ何うも相済みませんでございました、つい取急ぎまして飛んだ不調法を致しました、当人に成代りましてお詫を申上げます、何分御勘弁を願います」
安「なに詫を申すなら何処の者か姓名も云わず、人に物を詫びるには姓名を申せ、白痴め」