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しんけいかさねがふち
真景累ヶ淵
三遊亭 円朝
Read 真景累ヶ淵 (しんけいかさねがふち) by 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 214,332 characters · 426 screens
と頸に縛り付けてある丸ぐけを慄えながら解いて居る処へ、通り掛った者は、藤心村の観音寺の和尚道恩と申しまして年とって居りますが、村方では用いられる和尚様、隣村に法事があって男を一人連れて帰りがけ、
和尚「急がんじゃアいかん」
男「何だかヒイ/\という声が聞える様に思うだ」
和「ヒイ/\と」
男「怖かねえと思って、此処はね化物が出る処だからねえ」
和「化物なぞは出やせん」
男「けれども原中でヒイ/\という声が訝しかんべえ」
和「何も出やアしない」
男「あれ冗談じゃアねえ、だん/\、あれ/\」
和「彼れは観音様のお堂だ、彼処に人が居るのではないか、暗くって見えはせん提灯出しな」
と提灯を引ったくって和尚様が来て見ると、縊り殺された母に縋り付いて泣いて居る。
和「どういう訳か」
と聞くと泣いてばかり居て頓と分りません。漸くだまして聞くと是れ/\という。
和「飛んだ事だ」
と直に供の男を走らして村方へ知らせますと、百姓が二三人来て死骸と共に惣吉を藤心村の観音寺へ連れて来て、段々聞くと、便る処もない実に哀れの身の上でありますから、