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てっとうのかいじん
鉄塔の怪人/海底の魔術師
江戸川 乱歩
Read 鉄塔の怪人/海底の魔術師 (てっとうのかいじん) by 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.
N3 · intermediate · modern kanji and kana · 160,770 characters · 322 screens
げんかんのベルをおすと、ひとりの青年が、中からドアをひらきました。広田が名まえをいいますと、青年は、
「わかってます。お待ちしていました。どうかこちらへ。」
といって、さきに立ちながら、
「広田さん、きょうは用心しないといけませんぜ。うちの先生は、ひどくふきげんです。さいぜんから書斎にとじこもったきり、お茶をもっていっても、ぼくを入れてくれないほどですからね。」
と、注意してくれます。
「小林という有名な少年助手のかたがいましたね。あなたは小林君ではないのでしょう。」
と、たずねると、
「ああ、小林ですか。きょうは、遠くへつかいに行って、るすです。先生のおくさんも女中をつれて、おでかけで、うちには先生とぼくとふたりきりですよ。ぼくは、ちかごろ先生の助手になった近田というもんです。これでも名探偵のたまごですよ。」
と、この青年、なかなかおしゃべりです。
やがて書斎の前に来ると、助手は、かるくドアをノックして、「高橋さんのおつかいの人です。」と、大きな声でいいました。
すると、中から、ドアがほそめにひらいて、明智探偵のモジャモジャ頭の顔が、チラッとのぞき、
「つかいの人だけ、おはいりなさい。