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てっとうのかいじん
鉄塔の怪人/海底の魔術師
江戸川 乱歩
Read 鉄塔の怪人/海底の魔術師 (てっとうのかいじん) by 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.
N3 · intermediate · modern kanji and kana · 160,770 characters · 322 screens
先生よりも、よほどまえに、おたくを出たのですか。」
「そうですね。ぼくよりも三十分ほどまえにです。電車にのったとしても、とっくに、ついているはずです。これは、ひょっとしたら……。」
「え、なんとおっしゃるのです?」
「カブトムシの怪物団のために、さらわれたのかもしれませんよ。大カブトムシが、賢二君の部屋へしのびこむのを、さいしょに発見して、さわぎたてたのは広田君でしたね。そのふくしゅうかもしれませんよ。」
あのがんじょうな広田が、くもなく、さらわれたとすると、かよわい賢二少年など、いつさらわれるかしれたものではありません。高橋さんは、もう心配でたまらなくなってきました。
「先生、広田がさらわれたとすると、いよいよ、すててはおけません。賢二をたすけてください。なんとか、うまい方法はないでしょうか。」
「そうですね。ともかく、賢二君を、ここへよんでみてくれませんか。」
高橋さんは、また書生の青木をよんで、賢二君を応接室へ、つれてこさせました。
「やあ、きみが賢二君ですか。おじさんが来たから、もうだいじょうぶですよ。さあ、もっとこちらへいらっしゃい。」
明智はニコニコしながら、賢二少年をまねいて、その肩へ手をかけました。