Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
てっとうのかいじん
鉄塔の怪人/海底の魔術師
江戸川 乱歩
Read 鉄塔の怪人/海底の魔術師 (てっとうのかいじん) by 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.
N3 · intermediate · modern kanji and kana · 160,770 characters · 322 screens
」といったまま、そこに立ちすくんでしまいました。
女中が気をうしなって、ころがっています。そのひたいから血が流れているのです。高橋さんのおくさんは、手足をしばられ、さるぐつわをはめられて、たおれています。賢二君のふとんの中は、からっぽです。どこかへ、いなくなってしまったのです。
「おーい、だれかきてくれ。早く、だれか……。」
高橋さんは、廊下に出て、大声でどなりました。すると、バタバタと足音がしてふたりの書生がかけつけてきました。
「いまの警官たちが、近所にいるはずだ。早くよびもどしてくれ。賢二がさらわれましたといって。」
書生たちがかけだすあとについて、高橋さんは電話室にとびこむと、警視庁をよびだそうとしましたが、いくらダイヤルをまわしても、手ごたえがありません。耳にあてた受話器からは、なんの音も聞こえません。おりもおり、電話がこしょうをおこしたらしいのです。
電話をあきらめて、玄関へとびだしていきますと、外から帰ってきた書生たちにであいました。
「どうだ、警官は見つかったか。」
「うちのへいの外を、ぐるっとまわってみましたが、どこにもいません。近所のうちをたずねても、だれも知らないというのです。