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てっとうのかいじん
鉄塔の怪人/海底の魔術師
江戸川 乱歩
Read 鉄塔の怪人/海底の魔術師 (てっとうのかいじん) by 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.
N3 · intermediate · modern kanji and kana · 160,770 characters · 322 screens
そのひとりのほうが、なんだか、見たような顔なのです。高橋さんは、思いだそうとしましたが、どうも思いだせません。それを見てとって、中村警部が紹介しました。
「ごぞんじないでしょうが、こちらは、私立探偵の明智小五郎さんです。明智さんはやっぱりわれわれにも関係のある事件で、大阪の方へ旅行しておられたのですが、それがうまくかたづいたので、きょう東京に帰られて、警視庁へおよりになったのです。さっきのお電話の話をしますと、ひじょうにおもしろい事件だから、じぶんも、いっしょに行ってみたいといわれるので、おつれしたわけです。こちらは、わたしの部下の刑事です。」
「ああ、あなたが明智先生でしたか。なんだか見たようなお顔だと思いました。新聞の写真でお目にかかっていたのですね。カブトムシの怪人のことは、ごぞんじでしょう。あなたのおるすちゅうに、あいつは、あなたにばけて、ここへやってきたのです。そして、わたしと賢二を自動車にのせてつれだしたのですが、あなたの少年助手の小林君のはたらきで、ぶじにすみました。わたしは、あなたのお帰りをどんなに待っていたかしれませんよ。」
高橋さんが、うれしそうにいいますと、明智もにこにこして答えました。