Japanese reading practice

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てっとうのかいじん

鉄塔の怪人/海底の魔術師

江戸川 乱歩

Read 鉄塔の怪人/海底の魔術師 (てっとうのかいじん) by 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.

N3 · intermediate · modern kanji and kana · 160,770 characters · 322 screens

Aozora Bunko

「そのことは、小林が大阪へ電話をかけてくれましたので、くわしく知っています。とんだやつに見こまれて、あなたもご心配でしょう。じつはもっと早く帰るつもりだったのですが、あちらの仕事が、てまどって、一週間ものびてしまいました。しかし、もうだいじょうぶです。わたしは、とうぶん、このカブトムシ事件に全力をつくすつもりです。賢二君は、きっととりかえしておめにかけます。」

「ありがとう。それで、わたしも、どんなに心づよいかわかりません。」

高橋さんは、名探偵の自信にみちたことばに、すっかりうれしくなって、たのもしげに、その顔を見あげるのでした。

「それに、けさ、小林が丸ビルで、ひどいめにあっています。小林ははずかしくて、わたしにあわせる顔がないといって、しおれています。そのかたきうちも、しなければなりません。」

こい眉、するどい目、高い鼻、にこやかな、しかし、ひきしまった口、有名なモジャモジャのかみの毛、名探偵は、そのモジャモジャ頭を、指でかきまわしながら、はげしい口調でいうのでした。

高橋さんは、明智探偵と中村警部に、こんやのできごとを、くわしく話しました。

「それにしても、警視庁の電話番号のダイヤルをまわして、ちゃんと捜査課が出たのに、中村君がにせものだったというのは、じつにふしぎです。