Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

ずいひつ しほんたいへいき

随筆 私本太平記

吉川 英治

Read 随筆 私本太平記 (ずいひつ しほんたいへいき) by 吉川 英治 (よしかわえいじ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 56,947 characters · 114 screens

Aozora Bunko

笠置を書くには、ぜひ史蹟を踏ンでみたかったし、また、金剛山から赤坂辺の再遊も期しながら、つい旧年中は旅行出来ずにしまった。が、健吉さんは、私にシビレを切らしたとみえ、「こないだ、ひとりで行って来ましたよ。よかったなあ、冬の笠置は」と、誇っている。おそらくこの筆間茶話の挿絵には、そのスケッチを描くだろう。すこし小憎い。

やがて、後醍醐天皇が隠岐ノ島へ流される日を読み越して、隠岐ノ島の観光面や有志の方々から連名で、書く前にぜひ一遊してほしいと、史料文献なども送ってよこされた。同様に桜山茲俊や備後三郎などの史蹟のある地方からも、おすすめをいただいている。時間がゆるせば、どこへも行きたい。しかし書く以外の“調べる”ことに、こんどの仕事ほど時間を食われた経験はない。

ここで過誤のおわびをしておく。第三百十四回“佐渡へ”の中で、流謫のお方を後鳥羽院としたのは全く私の思いちがいで「順徳天皇」でなければならない。

とたんに、読者からのお叱言は、数十通にのぼったろう。係のM氏はノイローゼになりそうだと言った。私の手もとへもいまだに絶えない。新年早々、お詫びするわけ。