Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
それでもわたしはいく
それでも私は行く
織田 作之助
Lesen Sie それでも私は行く (それでもわたしはいく) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 89.708 Zeichen · 181 Bildschirme
蛸薬師
一
さすがの小郷も照れるくらい、はしたなく……。
君勇はそんな自分が浅ましかった。情けなかった。
しかし、芸者の意地からそうしたのではなかった。
「坊ン坊ンは鈴子はんが好きなのや、だから自分はこうして、鈴子はんの身代りに……」
その気持を鶴雄が判ってくれるかどうか……。しかし、そんなことはもうどうでもよかった。
「どうせ、あては汚れた身体や」
君勇はスタンドの傍へ倒されながら、そう呟いていた。
夜がにわかに深く落ちて来て、川音の単調な響きが、その夜更けの空気の中に、くりかえしくりかえし揺れていた。
蛸薬師
一
いまわしい一夜が明けた。
東山の峰の上に横たわった紫色の雲の隙間から、さっと金色の光が流れて、加茂川の水の上にキラキラと輝き、先斗町に夜明けが来るまで、鶴雄は一睡もせずに「罪と罰」を読んでいた。
昨夜――。
君勇が鶴雄の部屋を出て行って間もなく、鈴子がいきなりはいって来ると、
「坊ン坊ン……」
そう言って、鶴雄の胸にすがりついて泣き出した。
鶴雄は照れるよりも、まずどきんとした。
「どうしたんだ!」
と鈴子の肩をはじめて抱きながら、しかし鶴雄はがっくりと力が抜けて行くような気がした。