Japanische Klassiker mit Furigana
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まんようしゅうか
万葉秀歌
斎藤 茂吉
Lesen Sie 万葉秀歌 (まんようしゅうか) von 斎藤 茂吉 (さいとうもきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 213.820 Zeichen · 427 Bildschirme
難波宮のあったところは現在明かでない。
大意。難波の地に旅して、そこの葦原に飛びわたる鴨の翼に、霜降るほどの寒い夜には、大和の家郷がおもい出されてならない。鴨でも共寝をするのにという意も含まれている。
「葦べ行く鴨」という句は、葦べを飛びわたる字面であるが、一般に葦べに住む鴨の意としてもかまわぬだろう。「葦べゆく鴨の羽音のおとのみに」(巻十二・三〇九〇)、「葦べ行く雁の翅を見るごとに」(巻十三・三三四五)、「鴨すらも己が妻どちあさりして」(巻十二・三〇九一)等の例があり、参考とするに足る。
志貴皇子の御歌は、その他のもそうであるが、歌調明快でありながら、感動が常識的粗雑に陥るということがない。この歌でも、鴨の羽交に霜が置くというのは現実の細かい写実といおうよりは一つの「感」で運んでいるが、その「感」は空漠たるものでなしに、人間の観察が本となっている点に強みがある。そこで、「霜ふりて」と断定した表現が利くのである。「葦べ行く」という句にしても稍ぼんやりしたところがあるけれども、それでも全体としての写象はただのぼんやりではない。
集中には、「埼玉の小埼の沼に鴨ぞ翼きる己が尾に零り置ける霜を払ふとならし」