Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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せかいかいきじつわ「じょぶん」

世界怪奇実話

牧 逸馬

Lesen Sie 世界怪奇実話 (せかいかいきじつわ「じょぶん」) von 牧 逸馬 (まきいつま) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 251.305 Zeichen · 498 Bildschirme

Aozora Bunko

6

ウオロウル夫妻は諦めて、そのままうっちゃって置くことにした。その代りカラブウに英語を教える。叩き込むようにぐんぐん教える。カラブウが英語を覚えて、英語で話しが出来るようになるまで待とうというのだ。そうすれば、彼女に関する一切の神秘の扉は開かれるだろう――。

英吉利の田舎の人だけに、気の長い話しである。

6

カラブウは断じて獣肉を食べない。すべての肉類や、葡萄酒、麦酒などの醗酵飲料は、見るのもいやなように顔を外向ける。カラブウの飲食物は水、茶、魚類、鶏卵、麺※、牛乳菓子、果実、それだけだ。しじゅう黙って、にこにこして床に坐っているか、気違いのように「アラ・タラ! Allah Tallah !」と大声をあげてお祈りしているかで、日課になっている英語なんか習おうともしない。ABCさえ頭から受けつけないのだ。日を経るにしたがって当初の好奇心が褪めかけると、さすが親切なウオロウル氏夫妻も、いささか当惑顔を見合わせて、ひそかに処分方を考えるようになった。

「何時までああして置くわけにもいかないね」

「そうですわね。何うしたらいいでしょう――でも、いま追い出すのは可哀そうですわ。