Japanische Klassiker mit Furigana
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せかいかいきじつわ「じょぶん」
世界怪奇実話
牧 逸馬
Lesen Sie 世界怪奇実話 (せかいかいきじつわ「じょぶん」) von 牧 逸馬 (まきいつま) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 251.305 Zeichen · 498 Bildschirme
ああウィ! だれかあの三階の十四号室に一夜を明かす人があったら、百法やってもいい! 誰かしっかりした、自殺なんかしない人で――」
これは、マダムとして、この場合思いつきの策だった。神経の太い人にその自殺室――じっさいもう三階の十四号には、ホテル・アムステルダムの自殺室という有難くない綽名がついてそろそろ口さがない巴里童の噂に上りつつあった――に暮らして貰って、部屋そのものは何ら人命に関することのない事実を、身をもって証明して貰わなければならない。遠のいて行く客足を引き止めるには、それが第一である。刻下の急務である――というので、百法の懸賞つきで勇士の現れるのを待ってみたが、近処の男達もみな尻込みして、この英雄の役を買って出ようという者はないのだ。
モウパア警部の部下で、二度の自殺事件にホテルに検証に来た警察官の一人に、カミィル巡査というのがあって、二、三日してから、このことを聞きこんでぶらりとホテル・アムステルダムへやって来た。
女将の前に立って、暫らくもじもじしていたが、
「マダム・セレスティン、正直に言いますが、巡査の給料なんて、僅かなものですよ。