Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠1
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.314 Zeichen · 398 Bildschirme
「今から四年ほど前の夏の盛りのことでございました。或る晩のこと、あの山岡屋へ泥棒が入りましてな」
「ふーむ」
「ちょうど旦那は留守でございました。ところがお内儀さんのお滝というのが、眉の毛を剃り落した若い男を引張り込んでふざけているところへ、その泥棒がお見舞い申したのでございます」
「なるほど」
「その泥棒というのが、ただの物盗りばかりではない、意趣返しに来たものと見えて、内儀さんと若い男をずいぶんこっぴどい目に遭わせて帰りました」
「なるほど」
「とても委しくは申し上げられませんが、早い話がお内儀さんと若い男を素裸にしましてな」
「ふむ」
「それでお前さん、朝になってからの騒ぎというものは御覧じろ、話にも絵にもなりませんわ」
「なるほど」
「それが忽ち評判になる、山岡屋のお内儀さんは強盗に裸にされたという噂がパッとひろがったから、とても居堪れません」
「なるほど」
「そこへ御主人が帰って来た」
「ふむ」
「さあ、家は揉める、なんしろお内儀さんというのが家附きの娘ですから、出るの入るの、摺った揉んだのあげく」
「離縁になったのかな」
「ところが騒ぎの真最中、御亭主殿が急に患いついてポクリと死んでしまいました」