Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠1
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.314 Zeichen · 398 Bildschirme
祭りに行っていた家の連中が帰って来たものと思われる。
十一
その翌朝のこと、藍玉屋の金蔵は朝飯も食わずフラリと自分の家を飛び出しました。
「金さん、金蔵さん」
長者屋敷のところで、横合いから、火縄銃を担いで犬をつれた猟師体の男が名を呼びかけたのをも気がつかず通り過ぎようとすると、猟師は近寄って来て、金蔵の肩に後ろから手をかけ、
「どうした、金蔵さん」
「やあ、惣太さん」
「何だい、えらく悄気てるな」
「ああ、少し病気だよ」
「大事にしなくちゃいけねえよ」
「だから保養に、ここらを歩いているのだ、どうも頭の具合が面白くないからね」
「それでは金蔵さん、今日は一日、俺と高円山の方へ行かねえか、山をかけ廻ると気の保養になるぜ」
「そんな元気があるくらいなら、こうしてぶらぶらしてはいないよ、ああつまらない」
「困るな。では俺が近いうち、猪の肉を切って行くから、一杯飲んで気晴らしをしよう」
「うん」
「まあ、大事にするがいい」
この猟師は惣太といって、岩坂というところに住み、兎、鹿、猿、狐などの獣を捕っては生業を立てている。ことに猪を追い出すのが上手で評判をとっている。