Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠1
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.314 Zeichen · 398 Bildschirme
与八は手桶をさげて井戸端へ出かけます。
主人の神尾主膳というのは三十越したばかりで、父が死んでの後はいい気になって、旗本の次男三男という始末の悪いやくざ者を集めて来ては、己が家を倶楽部にしてさんざんの振舞ですが、今宵も八人の道楽仲間を呼び集めて、これに七人の女中が総出で広間を昼のように明るくし、
「これより竹の子勝負」
と聞いて女中たちは面見合せ、
「まあいやな」
眉をしかめていぶかしげな笑い方をする。
「さあ円くなれ、おのおの方、組を合せ給え、読みは拙者がする」
侍どもと女中たちは夜会の席のような具合に一人ずつ席割をして円く組み合いましたが、女中どもはこんなことに慣れきっていると見えて恥かしがりもせず。
「ああつまらん、身共ばかりは独り者」
投げ出すように言い出したのは、芳村という若い侍。
「おおこれは、芳村氏が男やもめ、笑止」
すべての人が奇数であったために男やもめがひとり出来てしまったのを、主人は膝を打って、
「みどりが見えぬ、みどりを呼べ」
みどりとは、三日前にこの屋敷へ見習奉公に来たお松のことです。
「みどりさん、みどりさん」
高萩と花野と、もひとり月江という女中が都合三人で、お松のみどりの部屋へ駈け込んで来て、