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Japanische Klassiker mit Furigana

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たぬきじる

完本 たぬき汁

佐藤 垢石

Lesen Sie 完本 たぬき汁 (たぬきじる) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 133.158 Zeichen · 273 Bildschirme

Aozora Bunko

明け暮れ、私の妻を縦からも横からも観察したのであろう。京都へ帰るほどもなく故郷の老父の方へ、あの嫁さんならば子供を贈るに異存はない。腹の子供が男の子であろうと女の子であろうと無条件で佐藤家へ差しあげる。とはっきりした返事を言いよこしたのである。

妹は、この報告を齎して直ぐ上京した。私は、妻と妹を前にして祝杯を過ごしたのである。

わが家の世嗣ができたということ、また親に安心させることができたという喜びは勿論であったが、それよりもそれから後は、産まれる子供が男の子であるか、女の子であるかという興味が私ら夫妻の生活の中心となった。

二

翌年の一月末に京都から電報がきた。女の子が産まれたと知らせてきたのである。家内は赤飯を蒸した。それから直ぐ、私の長女として故郷の村役場へ出産届けをだした。私の祖母に八十六歳まで長寿を保った人があったので、それにあやかるためその名を頂戴して、みゑ子と名付けたのである。

人々の意見で、藁の上から引き取るということは、やめた方がいいとなった。つまり、私の家内ははじめて子持ちになることであり育児には経験がないのであるから、乳離れするまでは京都へ預けておく方がよろしいというのである。