Japanische Klassiker mit Furigana
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たぬきじる
完本 たぬき汁
佐藤 垢石
Lesen Sie 完本 たぬき汁 (たぬきじる) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 133.158 Zeichen · 273 Bildschirme
東京湾内のものに比べて、推奨できないのである。
こんな訳で、所謂食通と言われる連中が下関の河豚なりと信じきって舌なめずりしている河豚は、大抵東京湾内から集まってきたものを食っているのだが、このごろではかえって東京から関西方面へ荷が回っているくらいだから妙なものであるといえよう。
まず、河豚通になろうと思えば、横浜の宝来町の河豚屋へ行って、そこの料理場を見せて貰ってから、食ってみるがいい。ここのなら、ほんとうにたしかだ。
河豚の毒を、テトロドトキンというのは誰でも知っているが、この毒は呼吸中枢を麻痺させるから、人間が死んでしまっても、二、三十分間は心臓が動いている。そして眼もぱちぱちしている。河豚が、岸角へ叩きつけられたときと同じの、風采であるそうだ。
この猛毒が一番に多量に入っているのは、河豚の胸鰭の下の皮膚についている寄生虫である。これを蝶々と言っている。河豚の皮膚と同じ灰色であって、大きさは犬のダニくらいある。一匹の蝶々を、鶏に与えるとその場で死んでしまうくらい猛毒の持主だ。だから河豚料理のうち、皮はよほど注意しないと間違いが起こりやすい。
次に、雌河豚の卵巣もいけない。