Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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たぬきじる

完本 たぬき汁

佐藤 垢石

Lesen Sie 完本 たぬき汁 (たぬきじる) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 133.158 Zeichen · 273 Bildschirme

Aozora Bunko

日本人は曖昧なことがきらいなのだ。右とか左とか、はっきりいって貰えば、それであきらめる民族だ。

下

勝正憲は、まだ官僚臭が抜けきらない。電力問題で誰かの質問に答えて、軽々に諸君が考えているような簡単な問題じゃない、などと口を滑らして、尻っ尾をつかまえられた。

勝の眼から見れば、議員どもが人民どもに見えるのは当たり前だ。傍聴席から見ても、議員どもは人民に見えるから。

それから木暮武太夫が経済問題をしゃべりだした。前橋中学で、木暮は私の後輩であった。後輩だから、子供扱いするわけではないが、このごろ大分大人びてきた。木暮は、私という人間を知らないから、先輩だなどと思ってはいまいけれども、私は木暮を知っているから、先輩は先輩だけに、木暮の身の上を心配しているのである。

なかなか演説がうまくなった。抑揚といい論理といい演説の見本みたいなことをいう。だが、なんとしても木暮から客引風が抜けない。もっとも、木暮は伊香保温泉の宿屋の亭主であるから、自分の帳場の番頭の風がひとりでにしみ込んで、いつとはなしに、こすっからくなってしまったのだろうが、なんとしても木暮には野人の味が乏しい。