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Japanische Klassiker mit Furigana

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わすれのこりのき

忘れ残りの記

吉川 英治

Lesen Sie 忘れ残りの記 (わすれのこりのき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 193.050 Zeichen · 383 Bildschirme

Aozora Bunko

墨のカケラをおいて、交りばんこに、墨で墨を起し競するのである。これは見つかると叱られた。

もひとつ、ぼくらのよくやった雨の日の遊びは、誰の発案だったろうか、雑記帳に、自分の空想するテーマを、映画のヒルムのように、一コマ一コマと絵に描きつづけて行き、描きながら、口から出まかせに、テーマを喋っていく遊びがあった。

たとえば、こんな風にである――。

柳の木らしいものを描く、川みたいな物を描く。立小便している子供みたいな人物を描く。

「木村がネ、お使いに行ったんだとサ。そしたらね、小便が出たくなっちゃって、車橋のそばで、川ン中へ、じゃアじゃア、おシッコしていたんだとさ」

ここで、次の絵を手早に描く。

こんどは、橋を描き、お下げ髪の少女みたいな点景人物。

「するとネ、向うから宮崎千代子さんが来たんだよ、ほら、こっちを見たろ」

さらに、次の絵。

「木村は、まッ赤になっちゃって、小便を半分して、逃げ出したのサ」

こんどは、木村君の家になって、お母さんみたいな人物に、木村君がお尻を打たれている絵。

「家へ帰ったら、お母さんに、なぜおシッコを洩らしたかって、大叱られに叱られたとさ」