Japanische Klassiker mit Furigana
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「しなゆうき」
支那游記
Lesen Sie 支那游記 (「しなゆうき」) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.859 Zeichen · 105 Bildschirme
村の娘三人、いずれも籃を腕にかけつつ、蓬なぞを摘みつつあり。
甲。雲雀の声がうるさい位だわね。
乙。ええ。――あら、いやな蜥蜴だ事。
甲。姉さんの御嫁入りはまだ?
乙。多分来月になりそうだわ。
丙。あら、何でしょう、これは?(土にまみれたる十字架を拾う。丙は三人中、最も年少なり。)人の形が彫ってあるわ。
乙。どれ? ちょいと見せて頂戴。これは十字架と云うものだわ。
丙。十字架って何の事?
乙。天主教の人の持つものだわ。これは金じゃないかしら?
甲。およしなさいよ。そんな物を持っていたり何かすると、又張さんのように首を斬られるわ。
丙。じゃ元の通り埋て置きましょうか?
甲。ねえ、その方が好くはなくって?
乙。そうねえ。その方が間違いなさそうだわね。
娘等去る。数時間の後、暮色次第に草原に迫る。丙、盲目の老人と共に出で来る。
丙。この辺だったわ。お祖父さん。
老人。じゃ早く捜しておくれ。邪魔がはいるといけないから。
丙。ほら、此処にあったわ、これでしょう?
新月の光。老人は十字架を手にせる儘、徐に黙祷の頭を垂る。
× × × × ×
中華民国十年。