Japanische Klassiker mit Furigana
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「しなゆうき」
支那游記
Lesen Sie 支那游記 (「しなゆうき」) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.859 Zeichen · 105 Bildschirme
十八 李人傑氏
私はこの時支那の女に、初めて女らしい親しみを感じた。
十八 李人傑氏
「村田君と共に李人傑氏を訪う。李氏は年未二十八歳、信条よりすれば社会主義者、上海に於ける『若き支那』を代表すべき一人なり。途上電車の窓より、青々たる街路の樹、既に夏を迎えたるを見る。天陰、稀に日色あり。風吹けども塵を揚げず。」
これは李氏を訪ねた後、書き留めて置いた手控えである。今手帳をあけて見ると、走り書きにした鉛筆の字が、消えかかったのも少くない。文章は勿論蕪雑である。が、当時の心もちは、或はその蕪雑な所に、反ってはっきり出ているかも知れない。
「僮あり、直に予等を引いて応接室に到る。長方形の卓一、洋風の椅子二三、卓上に盤あり。陶製の果物を盛る。この梨、この葡萄、この林檎、――この拙き自然の摸倣以外に、一も目を慰むべき装飾なし。然れども室に塵埃を見ず。簡素の気に満てるは愉快なり。」
「数分の後、李人傑氏来る。氏は小づくりの青年なり。やや長き髪。細面。血色は余り宜しからず。才気ある眼。小さき手。態度は頗る真摯なり。その真摯は同時に又、鋭敏なる神経を想察せしむ。刹那の印象は悪しからず。