Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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「しなゆうき」

支那游記

芥川 竜之介

Lesen Sie 支那游記 (「しなゆうき」) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.859 Zeichen · 105 Bildschirme

Aozora Bunko

雑信一束

一 欧羅巴的漢口

二 支那的漢口

三 黄鶴楼

四 古琴台

五 洞庭湖

一 欧羅巴的漢口

この水たまりに映っている英吉利の国旗の鮮さ、――おっと、車子にぶつかるところだった。

二 支那的漢口

彩票や麻雀戯の道具の間に西日の赤あかとさした砂利道。其処をひとり歩きながら、ふとヘルメット帽の庇の下に漢口の夏を感じたのは、――

ひと籃の暑さ照りけり巴旦杏

三 黄鶴楼

甘棠酒茶楼と言う赤煉瓦の茶館、惟精顕真楼と言うやはり赤煉瓦の写真館、――その外には何も見るものはない。尤も代赭色の揚子江は目の下に並んだ瓦屋根の向うに浪だけ白じらと閃かせている。長江の向うには大別山、山の頂には樹が二三本、それから小さい白壁の禹廟、……

僕――鸚鵡洲は?

宇都宮さん――あの左手に見えるのがそうです。尤も今は殺風景な材木置場になっていますが。

四 古琴台

前髪を垂れた小妓が一人、桃色の扇をかざしながら、月湖に面した欄干の前に曇天の水を眺めている。疎な蘆や蓮の向うに黒ぐろと光った曇天の水を。

五 洞庭湖

洞庭湖は湖とは言うものの、いつも水のある次第ではない。夏以外は唯泥田の中に川が一すじあるだけである。――と言うことを立証するように三尺ばかり水面を抜いた、枯枝の多い一本の黒松。