Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lesen Sie 新・水滸伝 (しん・すいこでん) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 684.899 Zeichen · 1374 Bildschirme
「……なんだい、いねえのなら、兵舎で兵隊と飲んでいたのに」
武松は急に無口になる。取りなす金蓮は、かえって、一倍まめまめしい。下心とともに、耳たぶの紅から爪の先まで研きに研いていたことである。窓外の雪明りは豪奢に映え、内の暖炉はカッカと紫金の炎を立てる。武松が制服を脱いでくつろぐ間に、彼女は裏口を閉め、表の扉にもカギを卸してしまった。深夜のように、酒肴がいつか並ぶ。武松はうんもすんもいわずに見ていた。
「どうなすったの二郎さん。いやよ、そんな顔をなすっちゃあ。……ねえ、わたしにだって稀には兄さんにするように優しくして下さらない?」
「いや、話し相手がないと、つい武二って奴あ、こういう顔になるんですよ。何も嫂さんのせいじゃない」
「じゃあお杯を持ってよ。そして私にも酌いで下さいな」
「酌ぐことは酌ぎましょうよ。だが、あっしはもう沢山だ。兵営祭りで兵隊と、たらふく飲んだあとだから」
「あら、嘘ばッかり。兄さん飲もうよって言いながら家へ入って来たじゃないの。もう意地よ、私だって」
金蓮は三つ四つ手酌でつづけた。今日こそぶつかってやれ、と心に潜めていたものの、やはり勇気が欲しい。