Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
はたもとたいくつおとこ
旗本退屈男
佐々木 味津三
Lesen Sie 旗本退屈男 (はたもとたいくつおとこ) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 240.656 Zeichen · 478 Bildschirme
眉間の傷に名代を誇る主水之介の家門家格は、実に又江戸徳川名代を誇るそのお影組百騎の中の一騎なのでした。
さればこそ、蓋を払うと同時に現れた胸前は、紫縒糸、総絹飾り房の目ざましき一領でした。
紋がある。八百万石御威勢、葵の御定紋が、きらめきながらその房の中から浮き上がって見えるのです。
はッと、斬り伏せられたように豊後守以下の顔が、青たたみへひれ伏しました。
天下、この御定紋にかかっては、草木の風に靡く比ではない。薄紙のようになって豊後守たちが平伏している間を、うやうやしく京弥に捧げ持たせながら主水之介は、心地よげに打ち笑み打ち笑み庭先の乗物へ近づくと、自ら手を添えてその駕籠前にふうわりと飾りつけました。
不審は解けたのです。
対手は機略縦横、評判の切れ者なのでした。途中が危ない。機を見て闇から闇へ葬ろうとの企らみがあるとすれば、必ずともに道中いずれかに油断の出来ぬ伏兵の用意もしてあるに相違ないのです。
槍という手もある。
弓という手もある。
それからまた種ガ島。
こればかりは防ぎようがない。わざわざ駕籠先に馬の胸前を飾りつけさせたのは、実にその飛び道具の襲撃を避けるためでした。