Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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はたもとたいくつおとこ

旗本退屈男

佐々木 味津三

Lesen Sie 旗本退屈男 (はたもとたいくつおとこ) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 240.656 Zeichen · 478 Bildschirme

Aozora Bunko

たしかにそれに相違ござりませぬ」

「とはまた、どうして知ってじゃ」

「どうもこうもござりませぬ。今日その島津様が参覲交替でお江戸入りの御道中遊ばします筈にござりまするゆえ、よく存じているのでござります。いいえ、手前ばかりではござりませぬ。何と申しまするか、御大藩の御領主様と申すものは兎角わがまま育ちでいられますのか、島津のお殿様がこの街道をお通りの折は、なにかと横道なお振舞いを遊ばしまして、お手討ちになったり、通行止めをされたり、ここらあたりの百姓共は毎度々々むごい迷惑をうけておりますゆえ、厄病神の御通りだなぞ申して、誰も彼もみんなお日どりから御時刻までもよう存じているのでござります。それゆえ、わたくしもまたつまらぬ災難に会うてはと存じまして、あのように急いで馬を洗いましたのに、とんだ悲しいことになったのでござります」

「ほほう、左様か。いかにもな、七十三万石と申さばなかなかに大禄じゃからな。島津の大守も大禄ゆえにいささか御慢心と見ゆるな。いや、そう承わっては――鳴って参った。急に血鳴りが致して参ったわい。家臣の不埒は即ち藩主の不埒じゃ。七十三万石何するものぞ。