Japanische Klassiker mit Furigana
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はたもとたいくつおとこ
旗本退屈男
佐々木 味津三
Lesen Sie 旗本退屈男 (はたもとたいくつおとこ) von 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 240.656 Zeichen · 478 Bildschirme
二
とみて、わが退屈男の色めき立ったのも勿論です。
「のう、京弥!」
「はッ」
「最初からそれなる両名、特に殺気立っていたようじゃったが、先程試合前にあの美形が天降ったあたりといい、何ぞまた退屈払いが出来るやも知れぬぞ」
「いかさま様子ありげにござりまするな。念のために一見致しましょうか」
「おお、参ってみようぞ。要らぬ詮議立てじゃが、この木の芽どきに生欠伸ばかりしているも芸のない話じゃからな。ちょっとのぞいてみるか」
いかにも出来事が奇怪でしたので、のっそり立ち上がると、あの三日月形の疵痕に、無限の威嚇を示しつつ、のっそり場内へおりていきました。
二
行ってみると、予期せぬ災禍に会って落馬した古高新兵衛は、場内取締りの任に当っていた町方役人七八人と、同藩家中の藩士達両三名に守られながら、必死と介抱手当をうけているところでした。
然るに、これが先ず第一の不審でした。よし重量のある鉄扇で急所の脾腹を襲われたとしても、距離は少なくも六七間以上離れた遠方からでしたから、どんなに心得ある達人が打ったにしても、鉄扇の一撃ぐらいでそう造作なく落命する筈はあるまいと思われたのに、意外やすでに古高新兵衛の生命は、この世のものでなかったので、介抱手当に当ったものの打ち驚いたのは言う迄もないことでしたが、退屈男も殊のほか不審に打たれて、