Japanische Klassiker mit Furigana
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ひとうとうこうき
比島投降記
石川 欣一
Lesen Sie 比島投降記 (ひとうとうこうき) von 石川 欣一 (いしかわきんいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 68.333 Zeichen · 134 Bildschirme
と伝えるのであった。町長ともなれば英語はよく分る。僕に手紙を訳してくれた上、決して心配はないといった。さらにアパリから来た比島兵が、このバリオの出身者なので、案内と警備を兼ねて一緒に行くことになり、僕は町長にも、この警備兵にも、日本の将校が米軍の命令で行動するのであることと、全く武器を持っていないこととをよく説明し、万全の保護を依頼した。
ところで、僕自身はどうするのか。若い少尉の一人は英語は分るが不完全である。僕は山の中に入るつもりで足ごしらえもして来たが、勝手に行動することは出来ない。工兵少佐に「自分はどうするのですか」と聞いたら「通訳はここにいる用はない。アパリへ帰るのだ」とのこと。十月一日正午に、ゴンサカの町はずれにあるクリークの、向う岸にまでトラックをよこすから、日本兵はそこで投降すること。連絡が取れなければ、手ぶらのままでやはり十月一日にはゴンサカまで引返して来ること……このように話がきまり、少尉二人はCレーションを袋に入れて再びトラックに乗った。僕は途中で二人を降し、運転台に乗って日暮時、アパリのストケードに帰った。
十月一日、僕は朝から落着かなかった。