Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ひとうとうこうき

比島投降記

石川 欣一

Lesen Sie 比島投降記 (ひとうとうこうき) von 石川 欣一 (いしかわきんいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 68.333 Zeichen · 134 Bildschirme

Aozora Bunko

いかにも俺が艦長の命令を自分勝手に変更したようなことになって具合が悪い。とんでもないインタープレターだと、B中尉は僕に話すのであった。その通訳はもう一艘の方に行ってしまったが、君からよくPWの士官にいってくれよとのことで、僕は「よく分りました」と返事した。

艦長からのこまかい注意や船内の規則を、主としてT中尉を通じて皆に伝えたりしている内に、日が暮れかけ、LSTはガラガラとランプを引き上げて出帆した。大きな颱風が去ったばかりなので、波は相当に高い。病人はもちろんのこと、婦女子は全部、船艙に入ってしまった。陸ではあんなに元気だったT君やW君も、海に出るとから意気地がなく、引上げたランプの上に毛布をしいて、もう横になっている。折角あけた Ten-in-one も、あまり食う人がいない。因果なことに、船が揺れると食慾の出る僕は、グリン・ピースの大きな缶詰をほとんど一人で平げ、リスター・バッグの水でつくったココアをコップに一杯のんでから船艙に下りて行き、一番隅の、一番上のサックに横たわった。そして、あちらこちらの船暈の音を聞きながら、波の揺籃に、すこぶる健康な眠りに陥った。