Japanische Klassiker mit Furigana
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えどまえのつり
江戸前の釣り
三遊亭 金馬
Lesen Sie 江戸前の釣り (えどまえのつり) von 三遊亭 金馬 (さんゆうていきんば) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.910 Zeichen · 214 Bildschirme
これを二日ぐらい、釣っては放しているうちに、蚊針にもなれて飛びつかない。赤、白、黒と蚊針の色でご機嫌をうかがうようになったが、色が変わると一時は食う。それが、また半日ぐらいで釣れなくなる。二十種類ぐらいの蚊針では食わなくなった。さてこうなってから、釣るのがまた楽しみなものである。誰にもすぐ釣れるのではおもしろくない。女、子供には釣れなくなった。どんな色の針でも食わないとなると、これをいかにして釣ろうかと苦労する。
座敷にはカモシカの敷皮がある。このカモシカの毛を切って、ハタキの鳥の羽根を抜いてこれで自分で蚊針をつくる。人間が見ると、春先、木から落ちる毛虫のようなものができあがった。
「あすか山、毛虫になって嫌われる」という川柳があるが、池のマスもいやがるだろうと思ったが、試みにその針でからだを隠して、池へポトンと落としてみると、ガバーッと飛びついて釣れた。
このときの楽しみといったら、口にはいえないおもしろさである。つまり、釣れた魚ではおもしろくない。どこまでも釣った魚の楽しみである。釣りはむずかしい魚ほど、釣っておもしろいということになる。
魚を多くとるということが目的ならば、それこそ一網打尽にとってしまえばよいのだが、それでは楽しみがない。