Japanische Klassiker mit Furigana
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えどまえのつり
江戸前の釣り
三遊亭 金馬
Lesen Sie 江戸前の釣り (えどまえのつり) von 三遊亭 金馬 (さんゆうていきんば) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 106.910 Zeichen · 214 Bildschirme
春のヤマメ・ハヤ・ヤマベ〈四月〉
それまでは、いっさい箸をつけない。火からおろしてさめてから、くずれないように入れ物に取る。
春のヤマメ・ハヤ・ヤマベ〈四月〉
大正の末期から昭和の初めごろまで、夢中になったぼくの魚釣りも、重病人が紙一枚ずつはがすように全快するごとく、釣り道具の手入れもしなくなっていたが、太平洋戦争が夜店の植木屋みたいに大負けに負けたあげく、ぼくも焼け出されて玉川の尾山台にしばらくいたことがあった。
ぼくは芸人仲間では異端者扱いをされるくらい早起きで、四時半、五時になると、意地でも寝ていられない。ぼくが起き出すと、自然、家の者も起きなければならないことになるので目がさめると、それこそどろぼうのように釣り竿とビクを持って、こそこそと家を出る。一丁も歩くと、等々力から赤岩という多摩川清流の聞こえた釣り場である。
『芝浜の皮ざいふ』のように、流れに膝まではいって顔を洗う。餌の川虫をとっていっぷくやる。そろそろと竿をつないで、釣りしたくにかかるというあんばいである。ハヤとヤマベを釣って、八時ごろに納竿して家へ帰ると、ちょうど家の者が起きだしたところだ。
四、五月ごろを最盛期にする川のイワシといわれるヤマベとハヤが、毎朝の食膳を飾る。